五話設定
ロックオン×アレルヤ
二日後ってのが気になる
「ご忠告感謝しますよ」
アレルヤは視線を合わせることなく、そう答えた。
(随分と素っ気ない)
プトレマイオスからの新しいミッションを伝えるため
わざわざデュナメスのコンテナに来たアレルヤに
ロックオンが少しはしゃいだというのは、ここだけの話だ。
ソレスタルビーイングの活動拠点となっている
この孤島にやってきてからもアレルヤはキュリオスから余り
離れることなく、何か用事がある時はロックオンが彼を訪ねる
というスタンスがが当たり前になっていた。
だからこそ、わざわざ彼がロックオンの元へやってきたという
事実に淡い期待を抱いた、というのも仕方がないこと
なのかもしれない。
しかし、アレルヤの意識はもう完全に次のミッションにとらわれて
いるようで、ぼんやりとガラスの向こうを見つめている。
ロックオンが背後に立っても彼が振り向くことはない。
ガラスに両手を突き、アレルヤを閉じ込めた。
そのときになってやっと彼は自分の存在に気がついたようだ。
「っ…ロックオン…」
あまりにも近すぎる己に驚いたアレルヤは
なんとか距離を取ろうとするがそれは徒労に終わる。
「すこし、離れてくれませんか」
密着した体制のなかで振り返ることも出来ず、アレルヤは
あせったようにロックオンに告げる。
「つれないな……」
「せっかく無人島で二人っきりだってのに」
耳もとで囁くと言葉に潜ませた意図を理解してか
肩が大げさに跳ねる。
その初心な反応が愛しくて、首筋に口付ける。
「ロックオン……やめてくださいミッションが…」
それでもこの真面目な青年は職務を優先しようと
やんわりと己を拒絶する。
(強情だな)
ガラス越しに交錯する眼と眼はどちらも濡れているというのに。
「ミッションは今からなのか」
そう訊ねる間も掌はアレルヤの肢体を這っている。
「ん?」
薄い布を捲り挙げると震えるように首を振る。
「いいえ…っ…二日後、です」
「そうか、ならいいよな?」
「あっ…」
腕を強引に引き、向かい合う形になってようやくアレルヤの瞳に
自分が映りこむ。
「ロックオン…」
「やっと俺をみてくれた」
そういって頬を撫ぜるとアレルヤは心底申し訳ないというように
眉を下がらせえた。
「すみませんっ…」
僕、考え事に夢中で…あなたに心配してもらったのに…。
「いいんだ。それより…続き、してもいい?」
「ハロが…ん…」
視線を足元に向けると、赤い二つの瞳が
ロックオンを見上げていた。
「ここからは大人の時間だ」
ウインクひとつ投げかけると
「リョーカイ、リョーカイ」
聞き分けの良い友人はくるりと反転して
整備中のデュナメスの元へ向かった。
「それじゃあ準備はいいかな?プリンセス」
腕の中でくたりと体をあずけるアレルヤに
ロックオンは口付けた。
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ロックオンに対して妙に冷たいアレルヤがセクハラに耐える社長秘書に
見えたのはここだけの話
「なぁアレルヤ…今夜…」
「やめてください…セクハラですよ」PR