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会議は踊る。されど…

トレミー年長男子四人

評議テーマは『好みのタイプ』

男が数人集まれば会話の内容はだいたい決まっているわけで。


会議は踊る。されど…


機体シュミレートを終えて、アレルヤにコーヒーでも
どうだと誘ったロックオンは珍しく二人そろって休憩を
とっているプトレマイオスクルーにかち合った。
プトレマイオスの操舵士であるリヒテンダール・ツェーリと
砲撃士であるラッセ・アイオンだ。
ロックオンにとって両者とも円滑なコミュニケーションが
とれる相手としての付き合いはあった。
少なくとも、二名のガンダムマイスターと話すよりは会話が成立してる。


しかし、なぜこんな話題になったかといえば、
振られたばかりだという奴に聞いてくれ。


「オレはやっぱり胸の大きい子かな~ロックオンは?」
「おれは、まぁ年上?」
「あ~ぽいわ、つかそのままだな」
そのままってなんだよ、俺ってそんなイメージついてるのか?
「ラッセさんはどうなんすか?」
「泣き黒子がある女」
「「うわ~」」
「でもわかるっすよ」
うんうんとうなずいてこの話を始めた張本人は
先ほどから口を閉ざしている男をびしりと指をさした
「で、アレルヤはどうなんだよ」
「な、何がですか」
「だーかーらー好みのタイプだよ」
むさ苦しい男ばっかで会話するったらこれぐらいしかないっしょ、とリヒテンダール。
いや、あるだろうソレスタルビーイングの今後とか。
でもアレルヤの異性観というのは俺も少し気になる。
いや、変な意味はなくてだな……って何言い訳してるんだ俺。
少々目つきはきついが中々の顔立ちをしているし、
アレルヤ自身女性が苦手というわけでもないのだろう。
プトレマイオスの女性クルーはもちろん、見ず知らずの女性とも
普通に会話をしてるのを見たことがある。
では、なぜアレルヤを奥手だと感じてしまうのか。
おそらく19歳という年齢が関係しているのだろう。
自慢ではないが自分が19だったときのことを
考えると信じられない。

「オレの予想としてはそうだな…スメラギさんとか?」
「なっ何言ってるんですかっ」

ひどく同様するアレルヤを見て新しいおもちゃを見つけたと
いわんばかりにリッヒテンダールはアレルヤを追求する。

「もしかて、図星?いや~悪かったねぇ」
「違いますよっ、スメラギさんのことはすごいなって、
…人として尊敬してるだけです」
「じゃあさ、どういう子がタイプなんだ」
「タイプとか…そんなの…」

うつむいてしまったアレルヤがだんだん哀れに思えてきた。
そろそろ助け舟を出すべきだろう。
「質問をかえよう。」
アレルヤはさ。
「どういう奴に好きになってもらいたいんだ」
「おい、もうそれぐらいに…「すきになってもらう?」
反応を示したアレルヤにリヒテンダールは
そうそう、相槌をうつ。
こいつ、完全に楽しんでやがる。
そうだね。
アレルヤは困ったような笑いを浮かべる。
好きになってもらえるなら、
「……ぼくのことを受け入れてくれる人、かな」
もし、こんなぼくを好きになってくれる人がいるなら、
そんな人がいいな。
アレルヤはそこまで言わなかった。
けれどその笑みの形にされた隻眼はそう、雄弁に語っていた。

「「「……………」」」


俺は何とか言葉をだそうとするが、何と言えばいいのかわからなかった。


一番初めに口を開いたのはやはり、リヒテンダールだった。

「重いな~。ジュークの男がいう台詞じゃないぜ」
「そう、かな」
「そうだぞ。もっと軽い感じでさ、うなじが綺麗だとか…」
「それはお前の好みだろうが。」
と合いの手を入れることぐらいしかできない。

だが、この奇妙な会合はアイオンの以外な言葉で締めくくりとなった。

「そういうの大事なんじゃないのか?」
自分を理解してもらうとか、な。
シニカルな言動が目立つアイオンが人を庇うような発言をするとは、
珍しいこともあるものだと思う。

「まぁ、そうだけ「あ~!何やってるの!」

リッヒが曖昧な相槌を打とうすると、独特の甲高い声が聞こえてきた。
クリスティナだ。
「げっ委員長のおでましだ」
「休憩終わり!さっさと仕事にもどる!」
「へいへい」

「じゃあな、ロックオン、アレルヤ」
「うん仕事がんばって」



手を挙げてコックピットに戻っていく二人を見守りながら
俺はアレルヤの横顔を盗み見た。
その顔はいつものように穏やかで、灰色と呼ぶには
透明度が高すぎる眼が前を向いている。



アレルヤ…と俺は自然に名を呼んでいた。
声を出さず、首を傾げるようにしてアレルヤは俺の次の言葉を待った。

「お前を受け入れてくれる人間は必ずいるよ」

そういってからくしゃりと髪を撫ぜた。
アレルヤは驚いたような顔をして
それから、それから……

「ありがとうございます」


その笑みに俺は(俺も含めて)とこぼしそうになった。
彼が見せたのは俺がそれまで見たことのない笑顔だったから。



+ + + + + + + + + +



NTRでの質問に自分を受け入れてくれる人と答えたアレルヤに酷く暗いものを
感じたのがきっかけ。でも書きたかったものからずれてる罠。
今思えばハレルヤのことで自分を受け入れてるてくれる人ってことなのかもしれ
ないけどアレルヤはハレルヤのこと抜きでも自分が他者に愛されることをあきら
めてると思う。
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