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ヒトデナシサミット


フォン・スパーク×ハレルヤ




妄想にもほどある
フォン・スパークについてはこちら


気色が悪いほど月が紅く染まった夜にその男は現れた



 ヒトデナシサミット



「いい夜だなァ アレルヤ・ハプティズム」
「いや、今はハレルヤか。」
 
まるで往年の友であるかのように近づいてくるソイツを俺は知らないし、
今は意識の底で眠っているお人よし野郎の記憶にもこんな、いかにも
気が狂ってますというような知り合いはいなかったはずだ。
 

闇に融けることに抗う目障りな金髪も、宙に浮かんで俺を見下ろすソレと
そっくりな紅い眼もどれもこれも気に食わない。

 
そもそもコイツは今ハレルヤと言わなかったか?
組織の中でも俺の存在を知っている奴は極少数だ。それがなぜ?
…まぁいい。
余計なことは考えなくとも、俺たちにとって都合がわるいのなら
消してしまえばいい。それだけだ。
 
 
残念なことに今はナイフも銃も持ち合わせていないが、幸い相手の
両手は手錠の様なもので繋がれている。
まず初めに後ろを取る。それから二の腕でゆっくりと絞め殺してやろう。
そうだ、絞殺だ。それがいい。
 
結論が出た途端怒りは去り、俺は高揚感に襲われた。
久しぶりに味わうだろう血の香りを想像して舌なめずりをする。
なるほど奴の云うとおり今夜はイイ夜なのかもしれない。
 

一歩、二歩
ブーツの底が砂利を踏みしだき、音を立てる。
自ら近づいた俺に月を背にした奴は口角をあげた。
その人を喰ったような表情になぜか既視を覚えながらも
俺の機嫌はまた下り坂になった。
 
「想像とおりだ」
「何がだ」
「お前のことだよ、ハレルヤ」
「アァ?」
ハレルヤと奴の口がそう唱える。
今は眠っている半身以外が己の名を呼ぶことが
こんなにも不快だとは思わなかった。
怖気が走る。
 
「お前は、俺様と同類だと感じた」
いや、正しくは判ったんだ。
ハレルヤ、お前の求めるものが俺様と同じだということを。
俺たちを例えるならば…そうだな犬、だな。
 
「そう、血に飢えた野良犬だ」
 
まるで、演説をするかのようにおしゃべりを始めた野郎は
いつの間にか顔が触れ合うほど接近していた。
「キチガイ野郎と一緒にするんじゃねぇ」
「おっと」
確かに首を狙ったのに、ひらりと避けられたことに舌打ちをする。
あぎゃぎゃぎゃ、奴が笑う。
到底正気の人間がするような哂い方ではない。

「怒ったのか?そいつは悪かった。」
でもそうかっかするなよ、わざわざ会いに来たんだからな
「フォン・スパークだ」
「あぁ?」
「俺様の名だ。忘れるなハレルヤ」
そういって奴は俺の口を塞いだ。



ぶちり、と皮膚が切れる音がした。


「血の口付けか」
「俺たちには似合いだなァ」


奴は己の唇から滴る鮮血を蛇のような舌で舐め上げ、
愉快げに肩を震わせた。
 
口内に拡がる味を 甘い、と感じたのは渇望していたモノだったからだろうか。
いや、そんなことはどうだっていい。
俺はこの男をあらゆる憎悪をもって地獄に送らなければいけないだろう。

「はは、」

鏡を見なくとも今自分がどんな表情をしているか判る。

「あぎゃぎゃ」

目の前に気狂いと同じ顔だ。

「ふははははははははははははははははははははははは」
「あげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃげゃ」
 
 
突如体を折り曲げて哂いだした俺達を
もし、第三者が目撃していたならば、
それはさぞかし驚愕し、
恐怖に慄いたことだろう。
しかしここには、二つの影しか見当たらない。


「いいだろう」
「殺してやるよフォン・スパーク」


「いいねぇ」 
「そいつは最高のプロポーズだ」


月が真上に昇る
二頭の獣が牙を剥いた











+ + + + + + + + + +


殺し愛が書きたかったんだよぉ(大失敗)
ハレルヤがなんか弱くなってしまった…もっと凶暴なのがいいのに
二人ともまだ人物がわかってないのに無理をするもんじゃないな
でも今月は録音の任務サポートだったので来月号のダムAは
アレルヤについてフォン氏が何かしら語ってくれることを願う。
ついでにハレルヤが出ることも願う(無謀)
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